2012年12月10日

神尾真由子&ミロスラフ・クルティシェフ デュオリサイタル in 八ヶ岳

最初に断っておきますが私は合唱歴36年。
特にルネサンス時代のアカペラの宗教曲やマドリガル
その流れでバロック時代のバッハの宗教曲を演奏するのは大好きです。

ということで、バイオリンについては全くの門外漢。
今回演奏される、ベートーヴェンのバイオリン・ソナタ7.8.9番が
どんな曲なのか事前の知識なしにこの演奏会を聞きました。
ただし、9番のクロイツェル・ソナタが有名であることだけは知ってましたが。

2007年のチャイコフスキーコンクールのバイオリン部門で
1位を取られた神尾真由子さんの演奏は、
コンクール直後のTVドキュメンタリーで聴いたことがあるだけ。
その時の印象は、日本人でこんな迫力ある音を出す人がいるんだってこと。

八ヶ岳高原ロッジは我が家の贔屓のホテル。
マイHPで紹介したことも・・・(ここから見れます。)
いつか、あの八ヶ岳高原音楽堂で演奏会を聴きたいと思っていたところ
食事と宿泊付きで、神尾さんのバイオリンが聞けるとがわかり
すぐに申し込みました。

さて、演奏会当日・・2012年12月8日

数日前から雪が降り出しました。
当日も、外はこんな具合です。

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午後4時で外気温はマイナス4℃
会場の中はこんな感じ

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客席は170弱だったと思います。
こんなに天気が悪く、中央道の笹子トンネル事故の後なのに
ほとんど埋まっていました。

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ピアノ調律中。後ろは一面の雪景色。
演奏の間、動物が出て来ないかと楽しみしてましたが・・・。

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反対側の窓に映りこんだステージです。(画像が悪くてすいません)
実際は、もっと薄暗い中に演奏している神尾さんが写って幻想的でした。

さて、今回の演奏曲目はベートーヴェンのバイオリン・ソナタ 7、8、9番

1曲目は7番

神尾さんは薄いアプリコット色で肩と背中が大きく開いた
マーメイドラインのシフォンのイブニングドレス。
左腰のあたりにスワロフスキーのような光る石が沢山散りばめられていてキレイ!
髪は夜会巻き風なアップで、思ったよりも華奢な体つき。
5年前よりも女性らしさが増した感じ。

最初はヴァイオリンの音がまだ鳴らない感じがしましたが
曲が進むにつれて、会場に響くようになりました。
コンクールから5年経ち、低音が鳴るだけでなく、
繊細な音色も加わって、多彩な音色を出す人だなという印象。
見た目だけではなく 音楽的にも成長なさったんですね。

が、私の聞いている位置が悪いのか
どうもピアノの音がバイオリンに比べて大きく聞こえて
彼女の音楽を邪魔しているような印象がしたのです。
ピアニストはイイ表情をしているのに、
出てくる音がその表情とマッチしていない。
どこのピアノ? と思ったら、ハーフのスタインウエイでした。(汗)

続いて2曲目は8番。

あらまあ、今度はちゃんとピアノのディナーミックが
バイオリンに寄り添ったそれに変化。
もしかしたら、1曲目のあとで、彼女に言われたのかもね。

さんざんピアニストの悪口を言ってるみたいですが
二人の呼吸は、そりゃもう、とても合っていたんですよ。
私も少人数のアンサンブルで歌うこともあるので
テンポや間やディナーミックをあれだけ自然な感じで合わせることが、
どんなに難しいことか少しはわかりますもの。
ただ、ピアニストが右足で拍子を刻んでいるようには見えましたが。(苦笑)

ところで、7番も8番も、私はテンポのゆったりとした2楽章が好き。
8番なんてベートーヴェンが森の中を散歩している様子が見えた気が・・。
時に、女性が甲高い声で叫んでるように聞こえたり
鳥の囀り、猫の鳴き声・・いろんな音が聞こえてきて楽しかったです。

さて、20分の休憩のあと、いよいよ9番「クロイツェル・ソナタ」です。

1楽章の冒頭のバイオリン・ソロ・・・バッハのシャコンヌか?
続いて、ピアノ・ソロ・・うーーん、やっぱり平均律の音だ。
バイオリンの音律とちょっと違う感じ。
なんだか、7番、8番とは趣が違う音楽で、音が深く激しくなったぞ
・・・と思ったら、1楽章の半分くらい経った頃でしょうか
(半分というのは後で感じた)
いきなり、神尾さんが演奏を中断。

どうやら、弦が緩んだようです。(こんなことってあるんですね。生だぁ。)
客席に「すいません」と断わって、弦を巻きなおし、チューニング。
すさまじさで切れてしまったのか、弓の糸を沢山ちぎり捨てる神尾さん。
これも後から思えば、そうしながら気持ちを落ち着け、
再度集中し直してたのかもしれません。

どこから始めるのかなと思っていたら、
あら、もう一度最初からやり直すのね。

ところが、この2回目、ピアノの出だしが1回目と違った。
なんだ、この集中力のある音は!?
平均律の違和感も感じられなかったんです。

それからは、もう二人の集中力と気迫が凄くて
神尾さんの顔は、まるで角度によって表情を変える能面のように見え
曲の持つ力なのか鬼気迫る演奏に、心が振るえ、途中で涙が出るほど。
1楽章が終わったところで、私は小さく拍手をしていました。
なるほど、こりゃあ、途中から演奏するわけにはいかないわ。

1楽章に比べて、2楽章、3楽章は・・・
うん、ベートーヴェンねって曲でした。(意味不明?苦笑)

それにしても、なんだこの「クロイツェル・ソナタ」の1楽章は!
この曲にトルストイが触発されたのもわかる気がします。
ベートーヴェンにいったい何が起こったの?
彼はどんな啓示を受けたの?

途中、アクシデントはありましたが、1楽章を1.5倍聴けて得した気分。
集中力が違うせいなのか、ピアニストの音色にも変化が見られ、
7番と9番では違う人が弾いてるみたい。
心の中で「やればできるじゃん!」と呟いてました。
(プロに向かってすいません。)

今回は、神尾さんの多彩な音色を聞けて本当に幸せでした。
またフレージングも美しく、
あんなふうに歌えたらなあって思うほど。
(声は途中でブレスしないと、あんなに長く美しく歌えませんもの。)
ますます彼女の将来が楽しみです。

posted by み〜 at 00:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 演奏会評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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